「情報銀行」とは?
2019.12.22
「情報銀行」という言葉をご存知でしょうか?
最近は個人情報の漏洩に関するニュースが頻繁に報道されており、個人情報というものについて皆様が敏感になっている一方で、アメリカのGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)のように、自らの個人情報のほとんどを預けているとも言える存在の企業があることも事実です。そこで日本においても、GAFAに対抗するため、情報銀行を発足しようという動きがあります。そこで今回は、情報銀行とはなにかについてご紹介します。
1.情報銀行とは
情報銀行は、2018年に総務省が「情報信託機能の認定に係る指針Ver.1」で定義しています。その内容は、「情報銀行(情報利用信用銀行)とは、個人とのデータ活用に関する契約等に基づき、PDS等のシステムを活用して個人のデータを管理するとともに、個人の指示又は予め指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断の上、データを第三者(他の事業者)に提供する事業。」となっています。
つまり、ユーザ側と情報銀行が「データ活用に関する契約」等を取り交わすことで、情報銀行が預かる情報を第三者に提供できることとなります。ここでいうPDSとは「Personal Data Store」のことで、「個人が自らパーソナルデータを事業者に与えるかどうか管理できるシステム」のことを指します。つまり、ユーザ側が、どの情報をどの程度与えるかをコントロールすることができるということになります。
これまで個人情報を第三者に提供するには、個人情報保護法の観点から、様々な課題をクリアする必要がありました。また、ユーザ側にとっては、個人情報を第三者に提供することに対して、自分のコントロールがききにくくなるというデメリットしか存在しませんでした。しかし、情報銀行の登場によって、自分の情報をコントロールしながら第三者に提供することで、便益を受けられるようになります。つまり、自分の個人情報を売買することが出来るということです。
これまでは、企業に預けるしかできなかった個人情報を売買することができることで、ユーザ側から個人情報を提供するメリットが生じることとなるのです。
情報銀行には、ユーザ側からみてメリットもある画期的なシステムです。しかし、昨今のサイバー攻撃等の状況を鑑みると、安心して情報銀行に個人情報を預けることが出来るよう、しっかりとセキュリティ体制を構築しなければなりません。また、情報銀行は攻撃者にとってもおいしいターゲットとなり得ますので、今後の動向を注意してみたいと思います。
総合探偵社KAY