生涯未婚率
日本において、少子化が問題となってだいぶ経ちますが、出産率が低下する要因として、生涯未婚率の低下もあげられます。それでは、実際に生涯未婚率はどのような推移となっているのでしょうか。
1.生涯未婚率の推移
生涯未婚率とは、50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合を指します。読売新聞社の調査によると、1980年頃の生涯未婚率は、男性が2.6%、女性が4.5%と、ほぼすべての人が結婚を経験していました。しかし、結婚離れが加速した現在では、男性の25.7%、女性の16.4%が生涯未婚となっています。実に、男性の1/4、女性の1/6が生涯未婚という状況になっています。
2.生涯未婚率が上昇した原因
マスコミの報道をみると、経済的な理由により結婚できない若者が増加したことによって、生涯未婚率が上昇したとされています。しかし、本当にそうでしょうか。
1993年の調査では、
「人は結婚するのが当たり前だ」と考えている人は44.6%、「必ずしも結婚する必要はない」と考えている人は50.5%でしたが、
2018年に調査した際には、「人は結婚するのが当たり前だ」と考えている人が26.9%まで低下し、「必ずしも結婚する必要はない」と考えている人は67.5%まで上昇しています。
また、男女ともに、10代~40代までにかけて、「必ずしも結婚する必要はない」と考えている人が70%を超えており、結婚に対する価値観が大きく変わってきたことも原因といえそうです。
また、生涯未婚率の高い地域で見てみると、男性の場合は、北関東、東北、北海道といった東日本で生涯未婚率が高く、女性では西日本や大都市圏で生涯未婚率が高くなっています。
男性の場合、都会ではない地域での出会いの少なさが生涯未婚率の高さにつながっている可能性が高く、女性は社会進出しやすい地域で生涯未婚率が高くなっているような傾向となっています。これは、結婚しなくても自立して生活することが可能であることから、このような結果につながったのではないかと予想できます。
このままのペースで生涯未婚率が上昇した場合、生涯未婚率は2040年において29.5%と、人口の1/3まで増加することが予想されています。生涯未婚率が増加すればするほど、少子化につながることになります。多様化する社会において、結婚が重要ではないという価値観に変化していますが、それでも、このまま生涯未婚率が上がらなければ、日本経済にとって大きなダメージとなることになりますので、なんらかの対策が必要と思います。
総合探偵社KAY