改正ストーカー規制法

2021.07.19

令和3年5月18日に改正ストーカー規制法が成立しました。
ストーカー規制法は、つきまとい等を繰り返すストーカーに対し、警告の発信や逮捕などを行う事ができることを記した法律です。
 
今回はストーカー規制法の改正について、どのような変化があったのか、説明してみます。 

 1.実際にいる場所における見張り等
これまでのストーカー規制法は、自宅や会社、学校といった場所での見張りは禁止されていましたが、実際に自分がいる場所での見張り等は禁止されていませんでした。そのため、出張先のホテルや、たまたま立ち寄った店舗などで見張られていたとしても、ストーカー規制法で対処することはできませんでしたが、今回の改正で、これらの場所での見張り等も対処することが可能となります。 

 2.連続して文書を送付する行為 
電話やメール、LINEなどを、拒まれていたにも関わらず、連続して送る行為は、これまでのストーカー規制法でも対処することはできましたが、手紙などは対処できない等の抜け道がありました。今回の改正では、手紙なども含め、拒否されているにも関わらず、連続して文書を送る行為そのものがストーカー規制法の対象となります。 

 3.位置情報の無許諾取得等 
これまで、無許諾で取り付けられたGPS機器によって、位置情報を遠隔で監視する行為は見張りに該当しないと、令和2年7月30日の最高裁判決によって判示されていました。このことから、これまでは、無許諾であっても、GPS機器を取り付け、遠隔で居場所を監視する行為は、ストーカー規制法の対象外となり、対処することができませんでした。
 
これが、今回の改正によって、規制の対象となります。
今回、規制の対象となるのは、
①所持するものに位置情報を既得、送信する装置(GPS機器等)を取り付ける行為
②所持する位置情報を記録・送信する装置(GPS機器等)の位置情報を取得する行為、の2つです。
①は、自動車などにGPS機器等を取り付けて監視する行為、
②は、スマホなどの位置情報を使用する行為で、共に許諾なく実施した場合は、処罰の対象となります。 

 4.施行の時期
令和3年5月18日に成立した改正ストーカー規制法ですが、実際に施行の時期は若干異なります。
「実際にいる場所における見張り等」と「連続して文書を送付する行為」の2つは、令和3年6月15日にすでに施行されています。一方、「位置情報の無許諾取得等」については令和3年8月26日に施行される予定となっています。 



総合探偵社KAY
category: