戦前の不倫事情。。

2022.03.02

「不倫」は絶対にしてはならない行為で、不倫が発覚した場合、慰謝料等の代償を支払うこととなります。

また、芸能人が「不倫」した場合は芸能活動を休止に追い込まれるといったように社会的制裁も加わります。 
一方、昔の日本では「不倫」はどういう扱いだったのでしょうか。

1.昔の日本は不倫に寛容だった?
  今では、不倫した場合には離婚の原因となり慰謝料請求の対象となる不倫ですが、昔の日本においてはどうだったのでしょうか。
夜這いの文化などから、昔の日本は性に対し寛大だったようなイメージもあるかもしれません。あの渋沢栄一も多数の妾を囲っていたのも有名な話ですので、それも不倫に対して寛容だったというイメージの一部に有るのかもしれません。 
しかし、昔の日本においては、現在よりも不倫に対して特に妻の不倫に対して厳しい罰則が設けられていました。

2.姦通罪
姦通罪は、現在では存在しない罪ですが、戦前の日本には刑法で定められていました。姦通罪は、結婚している妻が不倫した場合、妻と不倫した相手の男性が禁錮や懲役等の罪に問われるという内容でした。つまり、不倫した妻は罰せられますが、不倫した夫は罪にならないという男女不平等な内容となります。
現在の日本において「不倫」が刑法に反すること、つまり懲役や罰金といった罪に問われることはありませんので、男女不平等では有るものの戦前の日本においては、現在よりも不倫には厳しかったということがわかります。(※戦後、廃止)

3.明治以前の不倫
 では、姦通罪が出来る前の日本においてはどうだったのでしょうか。江戸時代の法律と言える公事方御定書では、不倫したものは両者死罪、さらに協力したものも追放や死罪という極めて重い罪が定められていました。
 さらに夫は、不倫の現行を発見した場合は、その場で妻と不倫相手を殺害したとしても罪に問われることがなかったとされており、ここでも男女不平等ではあるものの、明治よりも不倫に対して厳しかったと言えます。

 これらのことから、昔の日本において不倫は男女平等ではなく、夫側の不倫に対しては寛大であっても、妻の不倫に対しては非常に厳しかったということがわかります。この夫側の不倫に対して寛容であったからこそ、渋沢栄一が多数の妾を囲うことができたという事実があったのでしょう。
 逆に、妻の方は結婚した後に不倫した場合は、非常に厳しい罰則が設けられていました。人妻に手を出した男性も同様でしたので、男性側も付き合っている相手が人妻かどうかしっかり確認する必要があり、「人妻の不倫=命がけ」の行為ということになり、現在ほど軽い気持ちでは行われてなかったのが想像できますね。

総合探偵社KAY
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