事実婚、法律婚との違い

2022.12.24

昨今、結婚するが籍は入れない「事実婚」が増えてきております。

一般的に結婚するのであれば、結婚式をあげ、婚姻届を役所に提出する。という方が多いと思いますが、中にはそういったことは行わず、実質的に結婚している状態であるようなカップルも居ます。
婚姻届を提出する「法律婚」とそういった手続きを行わない「事実婚」、どのような違いがあるのでしょうか。 

 1.事実婚のメリットとデメリット 
婚姻届を提出しない事実婚では、法律に縛られないかわりに法律上の保証を受けることができないというのが、メリット・デメリットとなります。
具体的なメリットとしては、仮に離婚することになった場合であっても、戸籍に影響しませんので、本人たちの意思のみで離婚することが可能で、戸籍上もなんら影響することがありません。また、夫婦別姓のまま結婚生活を送ることが可能となります。
 逆にデメリットとしては、子供ができた場合、親権はどちらか一方しか持つことができません。
また、戸籍により婚姻関係を証明することができませんので、家族関係の証明が必要な場合に、証明しにくいという点もあります。
さらに、経済的な面で考えると、配偶者控除など、税制面でのメリットを受けることができませんので、法律婚と比べると、不利益が生じることに繋がります。また、万が一、パートナーが亡くなってしまった場合、法定相続の権利がありません。相続に関しては、事前に遺言書を作成しておかなければなりません。また、相続税の配偶者税額減税を使用することもできませんのでそういった面でも不利になってしまいます。 

 2.事実婚の権利・義務 
事実婚という名前だけ見てしまうと「同棲しているカップルも同じようなもの」と考えてしまいそうになりますが、同棲しているカップルと事実婚では大きくことなります。
事実婚は、お互いに婚姻の意思があって共同生活をしているだけでなく、公的手続きにおいても、事実婚であることを表明していることが必要です。例えば、住民票の続柄の欄に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載して届けることは認められていますし、そのように提出することで事実婚の関係にある旨を表明していることになります。
 例え事実婚であっても、不倫やDVによって離婚することに至った場合、事実婚と認められれば、慰謝料請求を行うことも可能となります。また、子供の養育費の請求や亡くなった場合の遺族年金の受給も可能ではありますが、デメリットにもあげたとおり、事実婚であることの証明は、事前にしっかり対策しておかなければ難しいといえます。 


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