尾行とストーカーの違い
2023.10.20
「尾行」も「ストーカー」も、相手を付け回すという意味では同じように感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ストーカー行為はストーカー規制法等により罰せられますが、素行調査等の尾行は罰せられることがあるのでしょうか。
今回は、そんな尾行とストーカーの違いについてご紹介します。
1.尾行とストーカーの違いについて
なんらかの目的で、相手を付けていく行為を尾行といいます。ストーカー行為の一つとして、相手を付け回すという行為もありますが、これも1つの尾行であるといえます。
ストーカー規制法では、特定の者に対する恋愛感情、その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、その特定の者又はその家族等に対して行うつきまとい等の行為を禁止しています。
つまり、つきまとい行為がストーカー規制法で禁止されている行為に該当する場合は、罰せられる可能性があるということです。
例えば、自分のパートナーに対する浮気調査のための尾行であったとしても、パートナー側から訴えられた場合、特定の者に恋愛感情があるという条件を満たすため、ストーカー行為と認定される可能性があるということです。
一方で、例えば探偵事務所で行っているような尾行調査については、業務として成り立っており、ストーカー規制法の対象とはなっていません。探偵事務所は、所轄の警察署に探偵届けを提出し、公安委員会から探偵業届出証明書が交付されています。この探偵業届出証明があってはじめて業務として尾行行為を行うことができるのです。つまり、この探偵業届出証明がない人が尾行を行った場合には、自ら特定の者に対する恋愛感情が無いことを証明しなければ、ストーカー規制法違反として罰せられる可能性が高くなるということになります。特に、これらの罰則は徐々に強化されていますので、注意が必要です。
2.探偵ならどのような行為でも許されるか
探偵業届出証明書が交付された探偵であればどのような行為を許されるのかというと、もちろんそうではありません。尾行は、相手をつける行為になりますが、例えば、住居の中にまでつけていく行為(住居侵入罪)等の違法行為が許されるわけではなく、行政処分がくだされる探偵事務所もあります。
総合探偵社KAY