男性が受けるDV被害が増加中!

2025.12.21

   近年、男性が被害者となるドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数が急増しており、社会的な注目が高まっています。
そこで今回は、男性が受けるDVの被害についてご紹介します。

1.ドメスティックバイオレンス(DV)とは
ドメスティックバイオレンス(DV)は、配偶者や恋人など、親密な関係にあるパートナーから、身体的・精神的・性的・経済的な暴力を受けることをいいます。これまで、DVの被害者は女性が多いという認識が強く、DVの支援体制も被害者が女性ということを意識して整備されてきました。

2.男性が受けるDV被害の件数について
警察庁の統計では、2024年に全国の警察が受理したDVの相談件数は8万8619件ありました。
そのうち男性からのDVの相談は2万6175件にのぼり、全体の約29.5%を占める結果となりました。
2013年では、男性からのDV被害の相談は全体の6.6%、2018年では20.6%となっており、年々、男性からDV被害の訴えが増加していることがわかります。

3.男性が受けるDV被害の内容
「暴力」と聞くと、肉体的な暴力を想像しがちですが、DVの被害は身体的な暴力だけではありません。
DVの被害は身体的暴力だけでなく、暴言や無視、経済的な締め付け、性的強要など、精神的・社会的な圧力もあります。そのため、身体的に強いとされる男性でも、身体的暴力以外のDVの被害を受けるということがあります。

一例として、ある男性被害者が、年上の妻から日常的に暴言を浴びせられ、食事を与えられず栄養失調で倒れたという事例があります。また別のケースとして、スマートフォンや現金を取り上げられ、外部との連絡を断たれ、監禁に近い状況に置かれるといったケースもありました。

4.男性のDV被害増加の要因
これまでは、「男性は強い」「男が女に暴力を受けるはずがない」と思い込みが元となり、男性がDV被害を訴えても、「周囲からの理解が得られない」「男のくせにDVを抑えられない」といった周囲の視線等があり、男性がDV被害を訴えにくい環境にありました。そのため、実際には男性のDV被害はあったものの、長らく「潜在化」していたとされ、近年の相談件数の増加は、ようやくその実態が表面化し始めた結果と考えられます。
また、多くのDVシェルターや相談窓口は、女性のDV被害者に向けて設計されており、男性のDV被害者が安心して相談できる環境や、DVの対策となる設備が十分に整っていないのも現状の課題として考えられています。
さらに、LGBTQや事実婚等といった法整備が十分ではない環境化におけるDV被害も年々増加しており、法制度や支援体制の早期改善が必要となっています。 



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