世界の探偵のルーツ2  

2017.08.18

   探偵という職業が日本独自の職業ではないということは以前の記事で説明いたしました。
その際、探偵のルーツとして最もよく知られているイギリスとアメリカについてご紹介し、日本では別のルーツがあるということをご紹介しています。では、イギリスやアメリカ以外の国では、探偵という職業は存在するのでしょうか。
 
今回は、イギリスやアメリカ以外の国での探偵のルーツをご紹介します。


1.小説から見るイギリス、アメリカ以外の国の探偵 
 各国で探偵という職業が受け入れられているかどうかは、その国に探偵が主人公となる代表的な小説が存在するかどうかである程度分かります。例えば、探偵のルーツとなったイギリスでは有名なシャーロック・ホームズがいますし、アメリカではエドガー・アラン・ポーが手掛けたC・オーギュスト・デュパンという探偵がいます。
では、他の国ではどうでしょうか。まず、フランスでは、有名な怪盗としてアルセーヌ・ルパンがおり、そのライバルとしてシャーロック・ホームズが登場します。そのため、探偵という存在は認知されているものと考えていいでしょう。
 他にも、ベルギーではアガサ・クリスティーが描いたエルキュール・ポアロがいます。また、ドイツにはフィリップ・カーの小説にベルンハルト・グンターという探偵が登場します。このように、探偵という職業は様々な国で認知されている存在となります。


2.世界最古の探偵事務所  
 世界最古の探偵は、1749年に「バウ街の警吏」と呼ばれ、活躍したイギリスの私服刑事だといわれていますが、世界最古の探偵事務所はフランスのフランソワ・ヴィドックが設立したといわれています。フランソワ・ヴィドックが探偵事務所を開設したのは1820年代といわれていますので、イギリスの私服刑事が探偵として活躍しだした時期と重なります。同じ時期に全く別の場所で同じような職業が発足したことを考えると、探偵はこの時期には、私的な事件を解決するためには、なくてはならない存在だったものと推測されます。


3.その他の国のルーツ
 ドイツやベルギーにも小説上では有名な探偵が存在します。しかし、それらが描かれたのはイギリスやフランスで探偵という職業が発足したのち、ある程度の時間が経過した後となっていますので、これらの国々では、個別に探偵という職業が発足したというよりは、陸続きである他国からの情報に基づいて、探偵事務所が設立されていたっと考えることができます。


総合探偵社 KAY
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